仏事作法⑧ 「報恩講について」

2016年10月5日

 浄土真宗のご門徒(門信徒)が最も大切にする仏事に「報恩講」という「集い」があります。京都・本山、東本願寺(真宗本廟)では毎年十一月二十一日から二十八日まで勤められます。また全国の真宗大谷派の寺院においても、年に一度、期日を定めて盛大に勤められています。

 では「報恩講とは何か」を訪ねるキーワードに、「十一月二十八日」があります。この日は、宗祖・親鸞聖人の「祥月命日」にあたります。聖人が亡くなられたご命日に、御同朋・御同行による「仏法聴聞の集い」を開いてきたのです。親鸞聖人の死が機縁となって、自らの「信心」を確かめ学び直そうという人たちが集まり勤め続けてこられました。この集いを「講」というわけです

第二のキーワードは「報恩(ほうおん)」です。恩に報(むく)いる、恩を報(し)らせるとも読みましょう。この恩とは何でありましょう。 

 「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳も 骨をくだきても謝すべし」

 

 これは親鸞聖人の「仏徳讃嘆(さんだん)」のご和讃です。私を救うてくださる仏さま(阿弥陀如来の大悲)、この私を仏さまの教えに導いてくださる祖師・高僧方(師主知識)への恩謝、身を粉にしても、骨を砕いても報謝すべしといわれています。それほどまでの「ご恩」をいただいたということでしょう。

 

 そして「報恩」とは、浄土真宗を顕かにされた親鸞聖人の生き様そのものです。それに私たちもならい、聖人の後について「お念仏の教え」を聞法してまいりましょうという願いが、この報恩講という仏事には託されているのです

「報恩講」は本山や寺院だけでのみ勤められるのではなく、ご家庭の「お内仏(仏壇)」でも勤められる仏事です。家庭での報恩講は「お取り越し」ともいわれ、お内仏に家族みんなでお参りし、「報恩謝徳」を考えてみたいものです。〈合掌〉

 


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